みらいレシピ「谷清司の法律歳時記」放送内容
兼定 さて、先生、交通事故の後遺症の話なんですけれども、この認定がなかなか難しいということなんですよね。
谷 等級が14級~1級まであるっていう話なんですけれども、これをまあ、労働能力がどれだけ減ったかで
見るということだとしますとね、例えば、神経を損傷して鼻がにおわなくなったとか、味覚がなくなったと、
こういった場合もね、等級付いて慰謝料は出るんだけど、慰謝料ってのは精神的損害に対する賠償、
でも、後遺障害で一番金額が高くなる逸失利益の部分には関わってこないわけですね。逸失利益ってのは、
労働能力減ったからこれだけ将来稼げるお金が減りました、という話なんだけど、まあ言ったら、
「労働と鼻のにおいと関係ないでしょ」みたいな、生活利益のことは考えないみたいなね、
ひどい実務があるわけです。あるいは顔にひどいあざが残りました、傷跡が残りましたと、
男の場合はまずこれ評価されませんね。
兼定 そうなんですかぁ。
谷 等級は付くんだけど、若干慰謝料が付くだけで逸失利益には関係ない。
兼定 「仕事をする際には関係ないでしょ」と?
谷 関係ないという言い方ですね。女性の場合でも、例えば看護師さんみたいな仕事、顔と関係ないでしょ、
みたいなとこでやっぱり逸失利益には関係ないとかね。そうですかと、人間ってその何もかんも労働能力で
見てもダメなんじゃないんですかと、生活利益はどうなるんですかと、そこは評価されるようには
今なってないんです。
兼定 そうなんですかぁ。
谷 そこを戦ってね、だから逸失利益じゃなくても慰謝料をもっとあげてくれとか、
そういう戦いしていかないといけない。
兼定 だって、労働と関係ないにしても、例えばにおいを感じなくなった、味を感じなくなった、
顔にあざが残ってしまったっていうのは心の傷として残ったりとか・・・ありますよねぇ。
谷 そうですよ。ええ。
だって鼻がにおわなくなったら味ないですもん。食べることのですね。そんなひどい話はありません。
兼定 そうですね。食べることって楽しみですもんね。
谷 そうです。
兼定 そうですか。そういったことで、後遺症の認定というのは、素人判断ではとても難しい、と。
谷 難しいです。そうやって保険会社を通じて認定を受けても、それをそのまま信じちゃいけません。
異議も申し立てられますからね。
兼定 そういったふうに主張することも大事なんですね。
谷 はい。
兼定 わかりました。